3.製品の購入

ユビキタス環境制御システムを導入してみたいと考えている皆様に、開発されている製品や問い合わせ先を情報提供いたします。ユビキタス環境制御システムの試作や製品開発をお考えの方は、「製品の開発」をご覧ください。

3.1 ユビキタス環境制御システム応用製品の製品化・試作状況

2010年11月現在の状況は、以下の表の通りです。それぞれの組織及び会社にお問い合わせください。

ノードの種類ノード開発組織対象機器製造会社開発レベル
暖房機ノード(重油)ネポン製品
暖房機ノード(ガス)ホルトプランネポン
暖房機ノードフルタ電機
天窓ノード誠和
カーテンノード
側窓巻上ノード
天窓ノードホルトプラン日本オペレータ
カーテンノードミズホ
手動自動スイッチノードホルトプラン
簡易コンソールノード
屋外気象ノード(温湿度・風向風速・日射量)
屋内気象ノード(温湿度・CO2・日射量)
屋内温湿度ノード(2種)
pH・EC計測ノード
土壌水分・EC(電気伝導度)計測ノード大起理化工業
データロガーノードホルトプラン各社
汎用入出力基板ノード(3種)
アグリサーバーノード次世代技術・ワコムアイティ
中小規模施設向け環境制御ノードホルトプラン試作
人工光育苗装置ノードホルトプラン太洋興業
くん煙ノード大信油化工業
ファン一体型細霧冷房ノード東海大学フルタ電機・松下ナベック
ベッド暖房ノードホルトプラン西電産業ほか
給液機記録ノード大塚化学
養液供給ノード東海大学太洋興業
養液栽培ベッドノード
潅水制御・土壌水分センサノードイシグロ農材
ベッド廃液計測ノードホルトプラン
CO2施肥ノーホルトプラン宮原酸素ほか
補光ノード東海大学各社
電照ノードホルトプラン各社

関連のホームページを出されているところは下記の通りです。

ステラグリーン株式会社

大起理化工業株式会社ユビキタス環境制御システム対応型の土壌水分・EC 計測装置(PDF)

株式会社ワコムアイティアグリサーバーのニュースリリース

3.2 各種ノードの解説

ここでは、社団法人日本施設園芸協会から発刊された「低コスト植物工場導入マニュアル」の2)コンピュータによる環境制御の(3)開発・製品化されている各種機器(星 岳彦著)から編集して紹介します。どのようなノードがあるか参考になると思います。2009年2月時点の記載ですので、一部内容や価格が更新されている部分があります点をご了承願います。

UECS対応のノードには、室内環境を計測する屋内温湿度ノード、基本的な制御を行う側窓巻き上げノードや暖房機ノードなど、温室・ハウス栽培にも使用できる基本的なものから、養液制御ノードや補光ノードなど、植物工場的な生産に使用する高度な機能を持ったものまで、各種のものがあり、各社の製品が使用されています。でも、それらはすべて同じ通信規格で情報交換を行えますので、一つのネットワークに接続し、計測制御が可能になっています。規格を公開し、共通化することによって、多くの機関が参加して、並行的に開発や製品化が可能になります。以下では、開発された代表的な各ノードについて、導入の参考になるように詳しく説明します。

3.2.1 窓開閉ノード

天窓の開閉を制御するノードは、農水省の高度化事業により、一号機が誠和によって開発されました(左下)。


誠和製天窓開閉ノード1号機

誠和製改良天窓開閉ノード

その後、天窓ノードは改良され、筐体が約半分の体積になり、コンパクトになりました(右上)。さらに、巻き上げ式の側窓開閉機(くるくるAce)に対応したノードも開発されました (左下)。


誠和製巻き上げ式の側窓開閉ノード

日本オペレータ製天窓開閉機

また、日本オペレータ製の天窓開閉機用の天窓ノードが開発されました(左上)。ホルトプランによると、4点の開閉出力ができる天窓ノード制御部の価格は、2009年2月現在で約10万円です。

3.2.2 カーテンノード

カーテンノードも、一号機が誠和によって開発された。当初は、天窓ノードと同様に筐体が大きかったが、小型化されました(下)。


誠和製カーテン開閉ノード

また、ミズホ製のカーテン開閉機に対応したカーテンノードも開発されています。ホルトプランによると、2点の開閉出力ができるマグネットスイッチ付きのカーテンノード制御部の価格は、2009年2月現在で13万円程度です。

3.2.3 暖房機ノード

暖房機ノードは、重油温風暖房機用にネポンによって一号機が開発され、野菜茶業研究所のユビキタス環境制御モデル温室に設置されました。暖房機メーカーが自社で開発したので、下に示したように、組込コンピュータ基板が暖房機内に内蔵されており、通常の暖房機と変わらない外観になりました。


ネポン製重油温風暖房機ノード

その後、CO2施用と兼用できるネポン製LPG温風暖房機(左下)と、フルタ製重油温風暖房機(右下)をユビキタス環境制御システム用のノードにするためのアダプタが開発されました。ホルトプランによると、暖房機にアダプタタイプで取り付ける暖房機ノードの価格は、暖房機1機種につきアダプタ10台の製造時で、2009年2月現在で1台当たり8万円程度です。


ネポン製LPG温風暖房機ノード

フルタ製重油温風暖房機ノード

3.2.4 気象計測ノード

施設内外の気象(気温、湿度、日射量、CO2濃度、風向、風速など)の計測を行うためのノードです。このノードからのネットワークに送信されるデータを、各制御ノードがフィートバック制御などに使用します。左下は、一号機の気象ノードで温湿度の計測が可能なものです。ノードに液晶表示装置があり、計測値を確認できるようになっている試験研究機関向けの高級タイプです。


気象ノード一号機

普及タイプ気象ノード

現在は、右上に示した普及タイプの気象ノードが室内気象計測用に使用されています。ネットワークに接続したパソコン等のWebブラウザを用いて、この気象ノードのネットワークアドレスのページを読みだすと、気温や相対湿度だけでなく、絶対湿度、飽差、露点温度なども表示され、このノードだけで温室内の湿り空気の状態を把握するのに十分な情報が提供されるようになっています(下の図の左ウインドウ)。ホルトプランによると、2009年2月現在で、右上の普及タイプの温湿度を測定するタイプの室内気象ノードがセンサ類を含んで1台約9万円、それに日射量とCO2濃度を加えたものがセンサ類を含んで1台約14万円の価格です。


気象ノードにWebブラウザで接続した時の画面

屋外気象ノードは、当初、組込コンピュータ基板を2枚使用して、ポールを立てて風向、風速、日射量、降水、温度、湿度を計測するようにしていました(下)。Webブラウザで読み出すと、上の図の右ウインドウに示したデータが計測されていることが分かります。現在は、1枚のコンピュータ基板で、すべての屋外気象項目を計測できるようになりました。ホルトプラン製の屋外気象ノードの価格は、ポールに取り付けるセンサ類を含んで2009年2月現在で1台32万円程度です。


屋外気象ノード

3.2.5 スイッチノード

ユビキタス環境制御システムは、各ノードが制御する機器の手動自動の切り替えが、大きく2種類の方法で用意されています。パソコンなどのWebブラウザから各ノードを呼び出して、画面の指示で切り換えることができます。もう一つは、ここで述べるスイッチノードを使用して切り替えることができます。スイッチノードは、左下に外観を示したように、1台のスイッチノードで4点の手動自動切り替えを行うことができます。どのスイッチに、どの機器を割り当てるかは、パソコンなどのWebブラウザを使って簡単に設定しておくことができ、しかも、電源を切断しても設定が消去されることはありません。施設内のネットワークのどこのLANケーブルコンセントにスイッチノードを接続しても、すぐに操作が可能です。ネットワークに接続できれば、どこでも使用できる特徴は、機器の調整や点検時に、大変重宝します。3エリアにゾーン分けしてある施設でも、任意の場所で好きなエリアの手動自動切り替えを行うことができ、右下のように、一か所にスイッチノードを集めておけば、全エリアの機器に集中して指示することもできます。また、スイッチノードをネットワークから外したり、電源を切断したりすると、機器は3秒で元の動作に復帰する規格になっています。ホルトプランによると、スイッチノードの価格は、2009年2月現在で約6万円です。


スイッチノード

スイッチノードだけを集めて集中管理も可能

3.2.6 簡易コンソールノード

パソコンなどを使わずに、各ノードを連携させてプログラム環境制御を実現できるのが、左下に示した簡易コンソールノードです。スイッチノード同じ大きさの非常にコンパクトな作りで、液晶表示装置に現在の環境計測値や設定値などを表示し、押しボタンを使用して設定することができる。右下は、簡易コンソールノードを使用したトマト温室の環境制御の結果例です。時間帯ごとに設定値を変えたり、換気と暖房を組み合わせて3回の除湿制御を実施したりできていることが示されています。


簡易コンソールノード

簡易コンソールノードによるトマト温室の環境制御の結果例

3.2.7 養液制御ノード

地上部の環境制御に劣らずに重要なのが、地下部の環境制御です。地下部と地上部の環境制御を連携可能にするためにも、特に養液栽培システムの制御をユビキタス環境制御システムに対応させることは重要です。これまでにいくつかのシステムが試作されていて、近い将来、製品として購入可能になると考えます。ここでは、東海大学とMKVドリーム株式会社が共同で試作したシステムを紹介します。


養液制御ノードの構成図

養液制御ノードによるホウレンソウの栽培試験

試作したユビキタス環境制御システムに対応する養液制御システムは、養液供給ノードと栽培ベッドノードの2種類のノードから構成されます。左上に示した通り、1台の養液供給ノードで7系統までの栽培ベッドノードを接続することができます。栽培ベッドノードは、その養液栽培ベッドで生産されている植物のステージ管理、養液循環などの管理を行い、必要に応じて、養液供給ノードに培養液や水の供給リクエストを出します。養液供給ノードは、培養液を調整し、各栽培ベッドノードの求めに応じて培養液を供給します。このシステムは、葉菜類の工場的生産などで使用されることの多い、成育ステージが少しずつずれた多系統の栽培ベッドを、自律分散制御の特徴を活かして容易かつ効率的に管理することを目的にして試作されました。

試験農場における、ホウレンソウの栽培試験結果を右上に示しました。左が養液供給ノード、栽培ベッドの下に見える白い箱が栽培ベッドノードです。複数系統のベッドで養液栽培されているホウレンソウを各系統独立して養液制御できることが実証されました。それぞれのノード試作時の製作原価は、ポンプ、タンクなどを別にして、培養液供給ノードが約7万円、栽培ベッドノードが約3万6千円です。

3.2.8 細霧冷房ノード

送風ファン一体型の細霧冷房装置を制御するための細霧冷房ノードをフルタ電機と松下ナベックの協力を得て東海大学で試作しました。試作したノードと各1台ずつの細霧冷房装置を展示した時の写真を下に示しました。数百μm程度の直径の水滴による濡れを感度良く検出可能な濡れセンサも開発し、植物が濡れを抑えた細霧噴霧を可能にしました。また、温度センサ、日射センサも接続されており、細霧冷房の必要性を判断して適切な噴霧が可能になっているだけでなく、冬季などの室内空気流動ファンとしての利用も可能になっています。


細霧冷房ノード(左下は濡れセンサ部)

3.2.9 補光ノード

東海大学の試作補光ノードは、PPF(光合成光量子束)センサが取り付けられており、光環境の変化に応じて適切な補光量を計算してランプの点灯を制御するようになっています。農水省のプロジェクト研究の支援を受け、試作された補光ノードはトマト生産施設を中心に数か所で栽培試験を実施中です(下)。試作した補光ノードの製造原価は1台約3万円でした。


補光ノードによる試験(メタルハライドランプ)

補光ノードによる試験(蛍光灯)

3.2.10 汎用計測ノード

暖房機、カーテン、気象計測など、低コスト植物工場生産に不可欠な計測制御項目以外に、各種の計測をユビキタス環境制御システムに準拠した規格で行い、他のノードと連携させたい場合が起きた時のために、汎用計測ノードが製品化されています(左下)。このノードと接続したパソコンで、計測データをグラフ表示させたり、表計算ソフトウェアで処理できる形式で保存したりするソフトウェア(右下)も試作されていまする。ホルトプランによると、汎用計測制御ノードの価格は、4点入力で液晶表示装置付きの仕様で、2009年2月現在約8万円です。


汎用計測ノード

汎用計測ノード用モニタソフトウェア




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